総長っていったい何をしているのか、疑問に思っている皆さんも大勢いるかと思います。ここでは、私が日々取り組んでいる仕事やその中で感じたことなどを、自由闊達に紹介していこうと思っています。
12月18日①
昨日も東京日帰りでした。本日は朝から全学図書館前に建設を進めているコモンネクサス、通称コモネの見学会に参加してきました。
まだ内部は足場も組んであって足元が危ない、ということでスニーカーを履いてスーツを作業着に着替えての見学です。まずは屋根の部分、外からも見えますが、写真にあるようにコンクリで固めてあって最後には芝生を張っていくとのことです。豊田講堂?図書館がきれいに見渡せました。
内部は少し暗かったので写真はなしです。大階段や止まり木といったスペースがその姿を表し始めていました。とにかく大きい、というのが第一印象です。床をまだ張っていないこともあるのですが、天井が相当高く感じました。地下鉄とのアクセスもほぼできているとのこと。そこから図書館の近くの出口まで往復してきました。
このスペースが学生?教職員などでいっぱいになるのを楽しみにしています。建物の完成は3月末ですが、オープンは7月の予定となります。学生のプロジェクトなどの募集もあるようですので奮ってご参加ください。
12月14日
本日は、第3回目となる石井健一郎賞の授賞式です。
今回の受賞者は、低温プラズマ科学研究センターの堀勝特任教授です。堀先生はエネルギーの低いプラズマ研究のトップランナーで、半導体製造からガン治療まで幅広く研究を展開されていらっしゃいます。NIC館で行われた今回の授賞式でも、勇気ある知識人として、さらに頑張るという決意表明をされていらっしゃいました。同席されていた奥様は、本学経済学部の卒業生とのことですが、ほっておくとどこかに飛んでいってしまいそうな堀先生をこれからもどうかよろしくお願いします。今回の受賞、本当におめでとうございます。
授賞式の後では、恒例の受賞者による講演会が場所をES館に替えて行われました。思う存分お話しいただくには1時間は短かったかもしれませんが、まとまってお話しを聴くことができたのはよかったです。それにしても通常の細胞は傷つけず、ガン細胞を殺傷する能力を持つプラズマ活性培養液PAMとプラズマ活性乳酸リンゲル液PAL、すごい発明です。
12月13日
急に寒くなったせいもあるかもしれませんが、A型インフルエンザに罹患する教職員が周囲に増えてきました。そこまでキツくなくても、症状の軽い風邪にかかる人も増えていますので、皆さんもお気をつけください。
さて、本日もひっきりなしに打ち合わせがありましたが、午後には、黄宝印校務委員会主任に率いられた中国対外経済貿易大学の皆さんの表敬訪問を受けました。校務委員会主任は、学長の上に立っている大学の実質トップとのことです。対外経済貿易大学は北京にあり、文系、特に経済系の学部?大学院研究科を多く持ち、本学の経済学研究科とは2008年に連携協定を締結、毎年のように学生が本学に留学してきていて、現在も博士後期課程に2名、学部に1名が在籍しているそうです。
表敬訪問には、本学からは経済学研究科から清水研究科長らが参加、人文学研究科から星野副研究科長にも参加いただきました。特に、経済学研究科の薛進軍特任教授は連携のキーパーソンとしての出席です。黄宝印校務委員会主任からは経済学研究科を超えたさらなる連携の強化、部局ではなく大学レベルでの協定が結べないか、とのご提案がありました。これに対して、本学としてはまず経済学研究科以外の部局との連携から全学協定へ、という道筋であることをご説明し、薛特任教授からは国際開発研究科や環境学研究科が良い連携先になるのではとのコメントをいただきました。
12月12日
本日朝は、トランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)主催の国際シンポジウムISTbMでご挨拶を差し上げました。今回が10回目となるもので、外国からを含む4名による招待講演が行われました。また、恒例なのですが第8回となる岡崎令治?恒子賞の授賞式が講演に先立って行われました。今回の受賞者は米国メモリアル?スローン?ケタリング?がんセンターのリディア?フィンレイ博士になります。おめでとうございます。
本賞は中国体彩票app官方下载理学部で活躍された岡崎夫妻の名を冠し、生物学分野の新進気鋭の若手研究者に与えるものになります。
ご存知の方も多いかもしれませんが、岡崎令治先生は広島出身、中国体彩票app官方下载理学部を卒業され、米国を経て理学部助教授に採用されています。また岡崎恒子先生は名古屋の出身で、中国体彩票app官方下载理学部卒業後、大学院進学してすぐに令治先生と結婚、令治先生が亡くなるまで二人三脚で、その後は令治先生の遺志を継ぐように研究を続けてこられました。教科書に載っている顕著な業績である岡崎フラグメントの発見は、お二人とも30代の時に成し遂げた研究成果です。この賞が若手研究者に、というのは若くして偉大な成果をあげた二人の名にふさわしいものだと思います。
なお、令治先生は中学生の時に郷里広島で被爆、彼が44歳の若さで白血病で亡くなられたことは、本学のみならず日本、そして世界の科学界にとって大きな損失でした。本年のノーベル平和賞が日本原水爆被害者団体協議会に与えられたことで、岡崎令治先生の早世をあらためて思い起こしました。
12月11日
本日も、昨日に引き続いて東京出張、ほぼ同じ7時台の新幹線に乗って四谷の学術振興会での審査です。
今日は、天野浩教授がコーディネーターを務める未来エレクトロニクス創成加速DII協働大学院プログラムがヒアリング対象でした。天野教授、昨日に引き続いて藤巻副総長、サブコーディネーター加藤剛志教授、企業からお二人、プログラム修了生で本学の助教となっていて起業の準備をしている方、そして私という陣容です。
今回は、天野教授、私、藤巻副総長、そして企業の方、修了生がそれぞれプレゼンで話しをしました。このあたり大変好評だったと思います。
ヒアリングの後は、大手町での会合の後、今月末をもって建て替えが始まる学士会館に移動です。恒例の学士会新春7大学総長集合写真の撮影と懇談会がありました。今回は阪大の総長は来られていませんでしたが、7大学が揃うのはこの会と七大戦開会式の年2回、貴重な機会でした。最後には、経営評議会の橋本委員長と懇談、21時台の新幹線に乗って疲れ切って帰りました。二日連続で東京日帰り出張、なかなかにきついです。
12月10日
本日は早朝から東京出張です。新幹線から見えた冠雪している富士山の写真アップしておきます。
四谷にある学術振興会での審査でした。こちら、本学が走らせている卓越大学院の最終ヒアリングです。補助金の期間が終了するのに伴って、スタート当初に約束したり、途中の中間評価などで指摘されたことがきちんと実施されているかのチェックとともに、補助金終了後、大学でどのように内製化していくのか(お金は出さないが続けろということです)を問われるというなかなかに厳しいものです。
今朝は、本学の4つの卓越大学院のうち、トランスフォーマティブ化学生命融合研究大学院プログラム、通称GTRが審査対象でした。プログラムコーディネーターの山口茂弘教授、プログラム責任者の藤巻副総長、プログラムを支えている三浦亜季特任講師、そして企業から強力にサポートいただいてきた方、そして私という陣容で臨みました。15分のプレゼンのうち2分は私から大学の今後の対応?体制、残りが山口教授からのご報告でした。その後の質疑応答が30分とたっぷりと取ってありましたが、そこでは企業の方からの非常に適切なコメントなど、評価委員の皆様にはしっかりと理解いただけたのではないかと思っています。
ヒアリングは11時30分すぎには終わり、急ぎ名古屋に帰るべく12時ちょうどの新幹線に乗りました。これが失敗で、なんと車両から異音がするとかで、品川で車両の交換と相なってしまいました。初めての体験です。結局後続の新幹線何本かに抜かれ、1時間近くの遅れで名古屋到着でした。結果的には、一本あとの新幹線に無理をしないで乗っていればずっと早く着いていました。
名古屋到着後は、名古屋駅JRセントラルタワーズの会議室におけるC2-FRONTS(シーフロンツ)の会議に出席です。
信州を含む東海地区の学長及び高専の校長が出席する会ですが、今回が3回目になります。今回は、本学からの半導体人材育成など新しいタスクフォースの提案と、既存のタスクフォースからの報告がありました。さらに、高専からどのように大学と連携していけるのかの具体的な提案もあり、とても参考になったところです。本学とは直接関係ないのですが、高専生の中には教師になりたい、という希望が相当数あるとのこと、どのように教育系の大学に編入できるのか、少し議論になりました。高専は5年制ですので卒業すると大学3年に編入するのが通常なのですが、教育系だと講義科目や教育実習の関係があってどうしても2年次編入になる、これをどうにかできないか、という点が焦点でしたが、年間に取れる単位数のキャップ(制限)の関係からも、なかなか難しそうです。
12月9日
本日は、東海国立大学機構の量子拠点、設立式典記念シンポジウムに出席してきました。
内閣府の量子技術イノベーション拠点として11番目に認定された東海機構の拠点のキックオフとなります。内閣府からは川上大輔審議官、文科省からは田渕敬一量研室長がお越しくださり、ご挨拶をいただきました。
この拠点、中国体彩票app官方下载の未来社会創造機構に設置しました量子化学イノベーション研究所と岐阜大学医学部の「附属量子医学イノベーションリサーチセンター」をブリッジする形となっており、「量子フロンティア産業創出拠点」、通称Q-BReDと名付けられました。
シンポジウムには、大垣市民病院病院長や名古屋市の経済局長なども駆けつけていただき、大変盛会でした。名大からは、清中茂樹教授がアクティビティ、目指すものの紹介をしてくださいました。基調講演は、村山宣光産総研副理事長と、この拠点の仕掛け人、馬場嘉信量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所所長が担当、どちらも大変刺激的なお話しでした。ちなみに、産総研の潤沢な資金にはため息が出ました。
素晴らしいキックオフだったのですが、一つ大きな課題が。集合写真を見ていただいても、女性は一人しか見当たらないと思います。この方、名古屋市の経済局長です。とにかくこの分野、少なくとも名大には極めて女性が少ない。おそらく全国的な問題だと思うのですが、ここを克服する必要があります。
この拠点から化学を中心とした量子による新しい産業が生まれることを大いに期待しています。
12月8日
本日は、鶴舞のSTATION AIで中国体彩票app官方下载ヘルスケアスタートアップセミナーがあったのでご挨拶方々出席してきました。
このセミナー、中国体彩票app官方下载が経産省の「ヘルスケアスタートアップ社会実装推進拠点」に採択されたこともあって開かれたもので、リーダーの医学系研究科水野正明病院教授らが中心になっての実施です。セミナーでは、鈴木寛東大教授?慶應大特任教授(元文部科学副大臣)、加藤浩晃東京科学大学医学部臨床教授(アイリス株式会社共同創業者)というスタートアップ関係の有名人お二人が基調講演をされるなど、大変刺激的なものでした。鈴木寛先生は、鈴寛ゼミを30年続けられ多くのスタートアップ創業者らを輩出しているとのこと、加藤先生はもともとお医者さんで医療系のスタートアップでは知らない人がいない方です。
大村知事もご挨拶に駆けつけ、また会の最初には名フィルメンバーによる弦楽三重奏が披露され、オンラインでの出席者も多数あり、大変盛会でした。
さて、会の始まる前には、講演者らとSTATION AI7階のスペースで昼食をご一緒させて頂いたのですが、そこからは鶴舞公園、特に名大病院が紅葉に彩られすごくきれいに見えて印象的です。また、その後STATION AIの見学会が佐橋STATION AI社長自らの引率で、行われました。ひと月前に見学したときに比べて入居が進んでいて、また、Tongali、名大のスペース、これから名大医学系研究科が入るスペース、さらには本学が連携しているシンガポール国立大学のBlock 71 Nagoyaも見つけることができました。写真をアップしておきます。医学のスペースは、その中心になる水野先生と今釜史郎教授、お二人に座っていただきました。ここから何が出来上がってくるか、本当に楽しみです。
12月7日
本日は、午前中に門松副総長と打ち合わせ、午後は栄中日文化センターで天野さんと対談でした。
門松副総長、明日が誕生日ということで家族でのランチ会があったそうですが、それに水をさす形になってしまって申し訳ありませんでした。ランチには無事間に合ったと信じています。
天野さんとは先日の学内での対談に引き続きになりました。青色LEDの開発を中心に軽妙な講演を1時間していただき、そのあとは、講演をなぞる形での対談を行いました。最初に理学と工学の違いのような話しをされたので、高校生の時に最初から工学志望だったのか尋ねたのですが、「数学が得意で数学科に行きたかった」とのこと、数学者天野浩も見てみたかった気がします。
これで5月にスタートした私がナビゲートする9回シリーズ科学最前線、終了となりました。天野さんの講演?対談はまさに最後を飾るのにふさわしいものになったと思います。お付き合いいただいた先生方、どうもありがとうございます。
12月3日
昨日に引き続き、午前中はT-GEx関係のイベントに出席しました。本日はプログラム?ディレクター、プログラム?オフィサー、そして開発普及委員会委員の方々をお迎えしてのサイトビジットです。午前中の最初は、プログラム?ディレクターからのご挨拶から始まり、私からもご挨拶差し上げました。その後は、プログラムマネージャである武田宏子法学研究科教授がプログラムの進捗について説明しました。現在の育成対象者は中国体彩票app官方下载?岐阜大学の研究者が対象となるT-GExフェローが18名、他大学?研究機関が対象のアソシエート11名、企業アソシエート5名の合計34名にもなり多様性も拡大してきたとのことです。立ち上げに武田教授らと一緒に関わってきたものとしてはプログラムの発展、感無量です。
意見交換の後は、我々は退席して、育成対象者との面談があり、最後にプログラムディレクターから講評をいただきました。きちんとコンソーシアムが機能していくことなど高く評価いただき、全国にこの取り組みを展開していきたいとのお言葉や、またそのほか多くの前向きな提案、今後の活動に対して大変参考になりました。
昨日に引き続き、昼食の時間がうまく取れず、少し遅い時間になんとかお弁当を食べることができましたが、そうこうしているうちに、教育研究評議会です。こちらは今回は議題も少なく比較的短時間で終わることができました。
夕方からは、アジア農学系大学連合(AAACU)の隔年会議が20年ぶりに本学であり、野依記念学術交流館で行われたレセプションでご挨拶を差し上げました。こちらは英語になりますが、アジアの皆さん大変のりがよく、楽しい挨拶になったかと思います。出席者の中には、この間訪問したタイのカセサート大学でお会いした方や、昨年フィリピンを訪問した際にお会いした方なども含まれていて、思いがけない再会になりました。
ところで最近とみに忙しく、土日も必ず何かイベント?仕事が入っていたので、今日秘書さんにこぼしたところ、「先生に聞かれると思って準備してました。最後に一日完全に休めたのが11月10日で、次に休めるのが12月15日です」とのこと、総長には超過勤務も代休もありません。きついはずです…
12月2日
本日も盛りだくさんな1日でした。
午前中には定例の運営会議、午後には監査法人との意見交換、そしてT-GEx研究成果エキシビションで賞状を渡してきました。
T-GExは、自由闊達通信でも何度もご紹介してきた本学の独立研究者(PI)育成事業です。文部科学省の「世界で活躍できる研究者戦略育成事業」に採択された「世界的課題を解決する知の「開拓者」育成事業」通称T-GExになります。中国体彩票app官方下载が中心に岐阜大学、さらに周辺の6学術機関、13社の企業とコンソーシアムを組む形で連携、運営しています。
EI創発工学館のFUJIホールで行われたT-GExの研究成果エキシビション、そこでリトリート合宿で優秀な成績を納めたグループを表彰いたしました。研究成果エキシビションでは、フェロー(名大?岐大の研究者)とアソシエート(連携大学?企業の研究者)によるショートプレゼンテーションを少し聞かせていただいて、その後表彰状を渡し、記念写真を撮って私の役目は終了です。ショートプレゼンテーションで聞かせてもらった、ビザンティン帝国の建築物を3Dで再現するという研究発表は、ポスター会場ではトヨタ自動車と組んでバーチャルリアリティでその場で実体験できたとのこと、このプログラムの成果も深まってきたようです。
夕方からは、豊田講堂内、シンポジオンホールで体育会会長表彰に出席してきました。総長はじつは中国体彩票app官方下载の体育会会長でもあります。この表彰は、体育会で優れた成績をあげた個人と団体に対して表彰をするというものになります。今回は、個人ではオリエンテーリング部が2名、相撲部が1名、ライフル射撃部が2名、馬術部が2名を表彰しました。また団体では硬式野球部、硬式テニス部、そして陸上ホッケー部に対して、それぞれ本学が主管校を務めた七大学総合体育大会(七大戦)での優勝ということでの表彰です。この中で、相撲部で表彰受けたのはブラジル人の留学生、身長196cmという恵まれた体格の学生でした。全体ではなかなか名大のスポーツ、苦戦しているところですが、今回表彰されたみなさん、本当におめでとうございます!
表彰式の後は体育会幹部交代式が執り行われ、その後は、出席した学生たちと懇談を1時間ほどいたしました。懇談ではいろいろと困りごとを伺いましたので、可能な限り願いを叶えていきたいと考えています。例えば、ナイター設備がないため冬場には4時半までしか練習ができない、部室が狭い、用具を入れられる倉庫が欲しい、ホッケーの練習のために人工芝のスペースがあると助かる、ジムの予約が煩雑、練習の合間に授業の課題を行うのにWifiが届くとありがたい、などなど本当に多くの要望をいただきました。また平日に大会があるために、授業を公休できる日数を増やして欲しい、休めないために大切な試合に人数がギリギリで戦う羽目になった、という願いは切実でした。しかし、学生の本分を考えると微妙な要望とも言えます。オンデマンドで後で授業を受けられると問題の一部は解決するのかもしれません。
12月1日
本日は日曜日ですが、打ち合わせ+補助金の審査のために、大学に来ています。
学内もすっかり紅葉が進んできました。気がつけば12月です。今年は10月まで暑い時期が続いたので、例年より紅葉も遅い気がします。少し時間があればじっくり学内の紅葉を見て回り、写真を撮りたいと思っていましたが、今年は難しそうです。
とりあえずと言ってはなんですが、本日の朝、大学に来るときに本部棟の近く、学生支援課、キャリアサポートセンターの前の紅葉の写真を撮りました。